はい、どっと・ちゅーにんぐ(=^o^=)やまねこ庵でございます。 ライフ・デザイン研究所定番となった自主講座「シュタイナーの『農業講座』を語る」 の第三回でした。講師の竹下哲生さんを高松市から招いての土曜午後のレクチュアです。 毎回4時間に及びますが、竹下さんの深く広がりのあるお話にみんな耳を澄ませている感じ。 今回は、第三章の背景的な「自然学」の捉え方を話されました。 懐かしい小学校時代の「理科教室」のような感じで、竹下さんは薔薇の花をみんなに見せるところ からはじめます。 ひとつひとつ花の茎の一番下から葉っぱの小枝をちぎって並べてゆきます。小枝と思っていたのは 実は「一葉」なのだそうです。付け根に「脇芽」という棘のようなものがあり、そこから延びて 出でいる葉は何枚であっても一枚・・・これはシダのように多様に分岐していても同様。 下部の葉ほど丸くて横広ですが、黄金比で回転しながら上昇し、徐々にとがった葉になってゆきます。 そして、葉の最後は半ば愕の形に。そのまま愕になって花冠の下を支える。そして愕の最後 は花びら状むになり、花冠では花びらが重なり合って回転している。 さらに花びらの最後は内側に巻き込む雄蕊になり、めしべに変化してゆく。 リンゴやミカンや果実を観察してみると、面白いことがわかる。果実とは葉が種を抱き込んだ 形をしていて果皮や果床部分が肥大化して果肉を形成している。いちご、りんごなど。 奇妙なのはミカンの果肉は、葉に生えた毛だというのです。さらに竹下さんはバナナが少し 自然に叶わない形態をしていることに触れます。今度は野菜を取り出し、カボチャ、キュウリ えんどう豆なども「葉っぱが種を抱き込む形」で野菜の果実ができていることを観てゆきます。 みんな子どもの心に戻って「自然界の形の秘密」のようなものを感じている様子。 葉が変化して、花や果実になってゆくというメタモルフォーゼの自然観です。 これは、ゲーテの自然学の観察方法でルドルフ・シュタイナーは、ゲーテ自然学と言う博物学 とは少し異なる「芸術的自然学」を受けついているのです。 さらに、こうした植物観の背景をなす神秘学的自然観にも触れます。 人間を肉体・エーテル体・アストラル体・自我という四つの要素からなるミクロコスモスと 観ます。肉眼で見えるのは肉体のみです。エーテル体とは生命的な領域の体。アトスラルとは感覚 感情の領域の体。自我とは思考の領域の統合体。鉱物は肉体に、植物はエーテル体に、動物は アストラル体に人間と領域を共有しています。面白いのはわたしたちの肉体は、現代科学では 炭素・窒素・酸素・水素に還元されるのですが、霊的な世界から降りてきた人間は、最終 段階では物質現象を伴う時に(これを神秘学では流出という)自我は炭素Cに対応し、アトスラル体 は窒素Nに対応し、エーテル体は酸素Oに対応し、肉体は水素Hに対応する。そしてそれぞれの エレメントは炭素=火、窒素=風、酸素=水、水素=土だというのです。そして窒素こそは、火と水 を結びつける大切な部分であるがゆえに大地の中に窒素を固定することが植物・農作物の生育を 支えるという思考につながってゆく。 それは、宇宙のアストラルな働きが作物の成長とつながってるアストラル体とは別名「星の体」 つまり惑星につながる言葉です。 一般の農業から言うとなんとも不思議な見方であり、バイオダイナミック農法がほかの有機農法 と異なる霊的背景とも言えます。 これは、レクチュアの一端に過ぎませんが、次回はさらに立ち入ってテキストリーディングに 入ろうというところで時間切れ。毎回あっという間の四時間講座です。午後カフェもみんな で楽しめました。 次回はクリスマス前なのでテキスト以外に「ヤドリギのお話し」をやまねこからリクエスト しておきました。アントロポゾフィー医学では、がん治療に用いらる植物で、クリスマス・リース の素材ともなっています。
↧
シュタイナーの『農業講座』を語る3
↧